『mauleaf 33号』編集メンバーインタビュー vol.8 「科学と歴史と映像と。好きなものをかけあわせて未来をつくる」
今回は『mauleaf 33号』編集メンバー、デザイン情報学科3年生の本山結さんの紹介です。転校や環境の変化を経て見つけた自分らしい表現方法、ソフトの難しさに挑みながらも仲間とともに歩む大学生活。そして、好きな埴輪をキャラクターにした映像作品づくりに込めた思いとは──。夢を追いながら、自分のペースで未来を描く学生のリアルな声をお届けします。
◎話し手:本山 結 (デザイン情報学科3年)
○聞き手:小保方 結菜(工芸工業デザイン学科2年)

「なんとなく好き」から「学びたい」へ──進学の動機
—ムサビのデザイン情報学科(以下「デ情」)に進学した理由はなんですか?
デザインに興味を持ったのは、「デザインあ」というNHKの番組がきっかけです。身内に美術系の仕事をやっている人はいませんが、父がデザイン系の人と仕事をしていた時期があり、家にデザイン関連の本もありました。
美大に進学したのは、デザインは大学に行かないとちゃんと勉強できないと思ったからです。予備校は受験用の色彩構成やデッサンだし、イラストレーターになる方法ならYouTubeなどでも情報がいっぱいあるんですけど、デザイナーってあんまりなくて。体系的に勉強したいなと思って美大を目指すことにしました。
まだ「これを絶対にやりたい!」というものが固まっていなかったときに、ムサビのオープンキャンパスに行ったんです。デ情は本当に色んなことをやっていて、すごく展示が楽しそうだったので選びました。
私は生まれが千葉ですが、小学4年生までは東京に住んでいました。よくよく考えてみると、ムサビは前に住んでいた家に近いエリアだったり、身内が通っていた高校が近くにあったり、実はムサビと縁が深かったのかなと思っています。
—転校を経験しているんですね。私は転校したことがなくてイメージつかないんですけど、大変なことはありましたか?
私は小学5年生でまた千葉に戻ったんです。東京から千葉、都会から田舎だったので、学校の友達の雰囲気が結構違って、馴染むのに時間がかかりました。もともといた学校は学年80人くらいでしたが、転校先の千葉の学校は50人もいなくて、ぎりぎり2クラス。まずそれにびっくりしました。逆に千葉から東京に転校した友達は、東京は人が多すぎてすごいって言っていましたね。
東京っていろいろあるじゃないですか。だから小さいときに東京にいられたのは色んなものが見られて楽しかったと思います。千葉で暮らしていたのは、車がないと生活できないくらいの場所だったので、「さっさと田舎から出たい!」と思って、高校はちょっと都会の地方都市の高校に通いました。

—入学してからのムサビの印象はどうですか?
あんまり入学前のイメージとギャップはなくて、順調に課題を進められていますね。デ情はいろいろなことができる分、自分でちゃんと作品の方向性を決めないと就活が大変そうだなと最近思います。キャリアセンターや周りの友達の話を聞くと、2年生のうちにポートフォリオをつくった方がいいとか…。焦ってしまうんですけど、選択肢の幅が広いデ情だからこそ、芯は持っておいた方がいいんだなと思っています。
—今の段階では本山さんはどういう方向に興味があるのですか?
今興味を持っているのは映像系で、実写映像というよりは動画ソフトを使ってCGを組み合わせたりして、教育系の映像作品をつくれたらいいなと。NHKのドキュメンタリーや科学番組みたいなものを、将来はやりたいなと思っています。
—映像系に興味を持ったきっかけは何ですか?
これといったきっかけがあるわけではありませんが、小さい時から宇宙や古代遺跡などのテレビをぼーっと見ていて、科学の話題が好きになったんです。
デ情の卒業生はゲーム系に進む人が多いので、私もゲーム業界を志望していた時期がありました。ただ私自身がゲーム好きかというとのめり込むほどではなくて、それだったらもともと好きだった映像系に進みたいと今は思っています。
—どんな作品をつくっているのですか?
実写の映像にCGを合わせる感じでキャラクターを登場させています。これは課題でつくったもので、自分が好きな埴輪をムサビに登場させました。埴輪のテクスチャの表現が難しかったです。

—どうして埴輪のキャラクターにしたんですか?
もともと日本史が好きだったんです。特に古代史、縄文から室町あたりが好きで。古墳時代は空白の4世期と言われるくらい資料が残っていないんですけど、それでも現物として古墳が出土するじゃないですか。なんかそれがすごく面白いし、埴輪はかわいくて好きなんですよね。ただただ好きなものをつくったという感じです。
—好きなものが映像になって動いているのはすごく嬉しいですね。
好きなものだったらモチベーションが続くので、今後も埴輪のキャラクターを活かしていこうと思っています。知らないものや興味のないものは、私は投げ出してしまいがちで…。自分の好きなもので自分を操作していくしかないと思います。
学びも活動も、自分なりのペースで
—学業で苦戦したことはありますか?また、それをどう乗り越えましたか?
やっぱりソフトが難しいですね。ムサビに入って初めてイラレを使ったとき「なんだこれ!?」って思いました。CGも覚えることがたくさんあって難しいですが、ネットで調べたり、本を買ったりしてなんとか乗り越えています。
—mauleaf以外では何か課外活動に参加していますか?
学生協議会に入っています。ムサビ生の自治会みたいな感じですね。学生の展示の支援やサークルの支援、備品の用意など、学生たちの課外活動全般の支援をしています。今年は1年生が全然入っていないので、宣伝したいです。
—なぜ学生協議会に入ろうと思ったのですか?
入学してとりあえずサークルに入ろうと思っていたのですが、あまりピンとくるものがなくて…。そんなときにLiveCampusで学生協議会が新入部員を募集しているのを見て、こんなこと言ったらあれですけど、就活で話のネタにできるかもという思いもあって、入ろうと思いました。案外部員が少なく、片手で数えられるくらいなんですよ。謎に協議会費を集めるだけの怪しい集団と思っている学生もいるので、もっと広報しなきゃと思っています。
そのほかには、去年は芸祭でお化け屋敷の内装を担当しました。今年の芸祭では展示もやってみたいです。

—大学生活で楽しいと感じる瞬間はどんなときですか?
友達と課題の話を共有できることです。自主制作だとひとりで机に向かっているだけなので、課題でそれぞれ何をつくるかを話し合って意見をあげたり、逆にもらったり、アイデアの交換もできるのが楽しいですね。
—将来の目標やビジョンはありますか?
そんな大層なものはなくて、とりあえず映像系の仕事ができたらいいなと思います。ドキュメンタリー系や科学番組の制作会社で番組をつくりたいです。でも、仕事が全然美術と関係ないものだったとしても、自分の好きなことは趣味でも続けていきたいと思っています。
執筆・編集:工芸工業デザイン学科2年 小保方 結菜








