2025-12-08

mauleaf 33号編集メンバーインタビュー vol.12 「哲学と芸術って結構一緒」大学で見つけた好きな表現

『mauleaf 33号』に参加する学生を紹介する他己紹介インタビュー。今回は、映像学科2年生の細井大輔さんにインタビューを行います。細井さんの興味関心や、mauleafの活動に参加しての感想などについてお聞きしました。

◎話し手:細井 大輔(映像学科2年)
○聞き手:野内 達規(芸術文化学科4年)

哲学をやりたかった高校時代からムサビを選ぶまで

―細井さんは現在映像学科で学んでいますが、具体的にどのようなことを勉強しているのでしょうか?

映像学科で学べることは幅広くて、アニメもあるし写真もあるし、もちろん実写映画もあります。その中でも僕が今一番高い関心を持っているのがメディアアートです。一般にメディアアートというと、先端技術を使ったインタラクティブなインスタレーションなどを想像すると思います。もちろんそういうものもあるのですが、映像学科のメディアアートはそれよりも広く、現代美術全般を取り扱っているイメージです。例えば、録音した音楽を音響彫刻という別の音楽体験として表現したり、いきなり公共の場で掃除をし始めるといった「イヴェント」とも呼ばれるパフォーマティブなものもあります。それこそ今年の前期には4、5人のグループで一つのパフォーマンス作品を制作するという授業がありました。僕のグループでは日常の動作をちょっと変な仕方でやってみるという作品を作りました。例えば本を逆さまにして読んでみたり、椅子に座る時に椅子自体を自分に乗っけて座ってみたりなど。パフォーマンスならではの空気感と言いますか、日常ではありえないけど、どこか日常の延長線上っぽいもの、日常と非日常の間というものをコンセプトに制作しました。

―本当に幅広い表現が学べるんですね。細井さんはそもそもなぜムサビの映像学科を進路として選択したのでしょうか。

僕は一浪していて、現役の頃は美大を受けていませんでした。もともと哲学がやりたくて文系の一般大学を目指していたのですが、「なんか少し違うかな」という思いも抱えていました。それでなかなか思うように勉強できず受験に失敗してしまい、浪人するタイミングでもう一度考え直してみたんです。高校の頃から心のどこかに美術や芸術といったものがあって、そこを深掘ってみた時に「哲学と芸術って、手段が違うだけでやっていることは結構一緒だな」と思ったんです。哲学は言葉を使って表現しますが、芸術は言葉はもちろん、それ以外にも表現したいことに合ったさまざまな方法でピンポイントにアプローチすることができます。そんなことを考えていく中で、芸術系の大学が選択肢の一つとなりました。デッサンなど実技試験の対策は行なっていなかったこともあり、学科で入れるところを探してムサビの映像学科を見つけました。基礎デザイン学科などとも迷ったのですが、当時の関心度合いなどから映像学科へ進もうと決めたんです。

身体を使った表現の魅力

―もともとは哲学がやりたかったとのことですが、哲学は昔から興味があったのでしょうか?

そうですね、中学生くらいの頃から好きでした。

―中学生くらいからとはすごいですね!何かきっかけがあったんですか?

これが本当にわからなくて(笑)。気がついたら好きになっていました。でも強いてあげるとすれば、中学2年生くらいの時にアニメ映画の『聲の形』を見たんです。それをきっかけに身の回りに起きたことを大げさに、深刻に考えるようになった気がします。それで良くも悪くも考えすぎる性格になったというのはあるかもしれないです。

―先ほどメディアアートに関心があるという話がありましたが、アニメも好きなんですね。

結構好きです。でも最近はあまり見ていないですね。ムサビに入ってからは商業アニメばかり見ていてもダメだなという思いがありましたし、自分が作る側に立つとアニメって全然作れないんですよ。絵が描けないというのもありますが、まず一人じゃ無理ですし、作業量も大変です。それで自分ができることはなんだろうと考えて、パフォーマンス系に関心が移っていきました。

―他にも大学に入ってから熱中したことがあれば教えてください。

もちろん美術や芸術に関する展示を見たり、自分で制作をしたりすること、あとは中高生の頃から好きな哲学系の本を読むことには熱中しています。ですがそれとは別で、大学に入学する前より好きになっているなと思うのは、歌です。高校生の時は合唱部で、その時から好きではあったのですが、大学に入ってからの方が歌っているなという自覚があります。YouTubeのカラオケ音源をイヤホンで聞きながら歌い、あとで録音したものを聞き直して「ここが違うな」みたいなことを、休みの日とかは一日中やっています。歌は熱中しているものかもしれません。

―ありがとうございます。パフォーマンスや歌など、細井さんは自分の身体を使って表現することが好きなんですかね?

それはあるかもしれないです。やっている自分としても楽しいし、身体を使った方が感情をより表現できると思うんです。例えば絵を描くとなると、絵で出力するまでに何層も何層もある感じがして、すごく“遠い”気がしてしまうんです。絵を描いているうちに表現したい感情もどこかへ行ってしまうような。なので感情を表現するなら、その時の感覚のまま、そのまま身体を使って表した方が自分にはしっくりくると感じています。

mauleafでの活動を通して

―このインタビューは今回の『mauleaf 33号』完成後に行なっていますが、完成したものは手に取りましたか?

読みました。自分たちが担当した特集「のぞきみ!あなたのセカイ」はそれぞれの人の特性というか、特色をすごく出せたと思っています。デザインしてくださったラボラトリーさん「すげー」ともなりました。

―終わってみての感想はありますか?

僕が担当した特集は3人で、mauleaf全体でいうともっと大人数での制作でした。やはりチームでやるからこそ、自分ができないことを誰かが助けてくれるというありがたさがありましたし、それと同時に限られた時間の中で意思決定していかなくてはならない難しさがあったというのが感想です。映像もパフォーマンスも、一人ではできない大人数での制作なので、今後にもつながる良い経験となりました。


執筆・編集:芸術文化学科4年 野内達規

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