2025-07-16

『mauleaf 33号』編集メンバーインタビュー vol.3 「とにかく夢中だった大学受験。全て終えた今、熱中しているものとは」

『mauleaf 33号』に参加する学生を紹介する他己紹介インタビュー。今回は、現在映像学科2年生の津田幹乃さんにインタビューを行いました。

◎話し手:津田 幹乃(映像学科2年)
○聞き手:野内 達規(芸術文化学科4年)

映像学科を選ぶまで

―津田さんは映像学科の2年ということですが、最近はどのような勉強をしていますか?

最近は授業で15分の映画を撮っていて、私はプロデューサーをしています。プロデューサーというのは全体の責任者のような役職です。例えば俳優さんとの契約や、予算のやりくり、スケジュール管理など、派手ではない仕事が多いですね。

―もともと映像制作に興味があったんですか?

高校時代は割といろんなことに興味があって、正直自分でもよくわからないままここに来たという感じなんです。最初は美術大学ではなく、文化や哲学を勉強したくて一般の大学を目指していました。浪人してでも目指そうとしていた大学もあったのですが、高3の途中に担任の先生から、「君の興味の範囲だったらムサビの映像向いてるんじゃない?」みたいな話が急に出て…。その時は映画にもなんとなく興味を持っていたので、「自分で映画をつくれるなら面白いかも!」という軽い気持ちで受験しました。

―なるほど。担任の先生には「映像が好き」ということは伝えていたんですか?

そうですね。「映画とか本とか哲学のどれかが良い」と相談していました。でも特別に「これをやりたい!」というのがなくて…。そうしたら、美術部にいたわけではないんですけど、「美大とか向いてるんじゃない?」と。それがきっかけで今ムサビに来ています。先生が勧めていなかったら、浪人して他の大学を目指していたかもしれないです。

夢中で取り組んだ大学受験

―興味の幅が広い高校時代だったということですが、他に夢中になっていたことなどはありましたか?

いや、それがですね。中学校の時バスケ部だったので高校でもやろうと思ってバスケ部に入部したんですけど、そこが思ったよりも強豪校で。

―知らずに入ったんですか?

全然知らなくて。バスケをやるために入学したわけではなくて、バスケ部があったからバスケ部に入ろうと。結局キツすぎて高1の夏に辞めちゃいました。その後は何をしようかなと考えて、気づいたら勉強ばかりしていました。だから、勉強ですかね。夢中になったものといえば。

―勉強に夢中とはすごいですね。

私は勉強することが嫌いではなかったので、結構ゲーム感覚でやっていた気がします。なんでもそうだと思うんですけど、勉強もできれば面白いんですよね。それでどんどん成績も良くなって、高2では世界史に熱中して高3では現代文に熱中して。もうほぼずっと勉強でしたね。

―現代文に熱中って面白いですね。大学受験が楽しかったという感じですか?

自分はめちゃくちゃ楽しかったです。人に言うと気持ち悪がられるんですけど。「え、キモ」って何回か言われたこともあります。でも楽しかったですし、もう一回やりたいくらいです。

―あの時間は確かに特別なもののように思えるのですが、受験を終えてしまい夢中だったものを失ったようには思いませんでしたか?

それはすごくありました。受験の時の、「ダラダラしている時間が無駄」みたいな感覚が体に染み付いちゃって。入学してからしばらくは、大学から帰ってきて授業の復習をした後に余る時間をどう扱って良いのかわからなくて、結構苦しかったですね。

魅了された仏像の世界

―今は何か熱中できることは見つかりましたか?

仏像に興味があって仏像巡りをしています。東京に珍しい仏像が来たら展覧会に行ったりしますし、前は京都に行っていろんな寺を巡りながら仏像を見て回りました。

―津田さんが思う仏像の面白さってなんですか?

たとえば西洋の彫刻はすごいリアリティがあって、筋肉とか骨の再現度がめちゃくちゃ高いと思うんです。一方で仏像は、二次元を三次元に落とし込んでいるところがすごいなと。日本の絵は「線画的」とよく言われるじゃないですか。漫画とかにも応用されている通り、輪郭線が特徴的だと。この写真は私のお勧めの仏像です。袖や肩の部分がボールペンで描いた輪郭線のように見えます。西洋だったらもっと布が肌に張り付いているような質感を大切にしていると思うんですけど、この仏像は二次元で描いたような姿を三次元に、それも木を使った立体で表現しています。こういうところが仏像の面白さでもあると思います。

津田さんが仏像に魅了されるきっかけとなった八幡神坐像(東京国立博物館)

―自分でそこに気づいたというのがすごいですね!

あと仏像好きは、大人の方に言うとウケがいいですね。以前、短期バイトで社員の方と話をしながら作業していたときに、「仏像って面白いんですよ」と話題にしたら、「おっ!」って。それで場が持ちました。

mauleafへの思い

―最後にmauleafで成し遂げたいことなどを聞いても良いですか?

純粋に雑誌ってどうやって発行されているのか、プロセスを知りたかったというのもありますし、去年インド映画サークルに入っていたんですけど、それが途中で潰れちゃって。なので、他の学科の人たちと繋がれたらいいなっていう下心と、コミュニケーション力を磨くことを目指しています。


執筆・編集:芸術文化学科4年 野内 達規

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