mauleaf 34号編集メンバーインタビュー vol.5「ひとつの雑誌をみんなと一緒に作りたい」
『mauleaf34号』編集メンバーインタビュー。今回は油絵学科グラフィックアーツ専攻3年生の安井佳穂さんに、ムサビに来るまでのルーツとムサビでの今を語ってもらいました。
◎話し手:安井 佳穂(油絵学科グラフィックアーツ専攻3年)
◯聞き手:山﨑 佳乃(建築学科1年)

いいとこ取りができたグラフィックアーツ専攻
—まず最初に、ムサビに来た理由を教えてください!
愛知県の名古屋の高校に通っていたのですが、東京のほうが芸術系は特に展開が幅広いと思いました。地方はどうしても展示の機会も、そもそも芸術に関わっている人も少ない。東京に行って視野を広げるのもいいんじゃないか、という話を周りからもらって、東京の私大をいくつか受けたんです。その中にムサビがありました。
—油絵学科の中でもグラフィックアーツ専攻したのはなぜですか。
もともと絵が描きたいという思いがあり、日本画の質感が好きだったので、日本画学科を受けようと考えていました。デザイン系の学科は、パソコンに向き合って作業するというイメージがあって、それよりは自分の手を動かすほうがいいなと。ただ、浪人が決まったときに予備校の先生から、私が描く絵は日本画の古き良き柔らかいものというよりも、構成や描く対象が「デザインっぽい」と言われたんです。でも絵を描きたいので、ファインアート系を諦めきれなくて。ちょうどそのタイミングで、ムサビの版画がグラフィックアーツに名称変更するのを知りました。何が変わるんだろうと思って調べたら、ファインならではの描く授業もやりつつ、製本や編集のデザインの授業も取り入れているというのを見かけて、これなら“いいとこ取り”できると思いました。

—進路の迷いを掬い取ってくれる選択肢だったわけですね。
そうですね。ちょうど掬い取ってくれました。なのでグラフィックアーツを選んだことには何の後悔もないですね。
芸術のきっかけは憧れの先生
—絵が描きたかったから美大に入ったということですが、絵は幼い頃からずっと描いていましたか?
はい。5歳くらいの頃から中学に上がるまでの7年間、小さなアトリエに通っていました。そのアトリエにいた先生に憧れて最初は美術の先生になりたいと思って、そこから芸術系の進路に興味を持ち始めました。
—そのアトリエに入るきっかけは何だったのですか?
小さい頃、私に絵を描かせておくと、すごく静かだったと母が言っていました。すごく集中してくれるから、楽だなと思ったらしく、母親が入れてくれました。
—憧れていたアトリエの先生はどんな方でしょうか。
その先生は、絵描く人ではなくて彫刻をする人でした。課題が出されるのですが、本当に自由。「絵描いてね」って課題で立体物を作っても別に怒らないような先生で。自由にやらせてくれて、好きなだけ絵が描ける状態を作ってくれた先生に憧れていました。
—それが今の、このムサビに入るっていうところまで繋がっている感じがありますね。
そう、先生が連れきてくれた、っていう感じです。
古いカメラならではの魅力
—趣味など最近熱中しているものがあれば教えてください!
普段の制作で写真資料を使うことが多くて、写真を撮るために一眼レフを使い始めました。そこから写真にハマって、去年の夏に友達と鎌倉旅行に行ったときには、フィルム写真を撮りたくて「写ルンです」を買いました。1日分の写真を40枚くらい撮って現像したら面白かったです。
結構いろんなところに手を出してしまうタイプなのですが、今は、写真にハマっています。資料集めとしての写真は、ただ撮ることに意識が向きがちで、作品にするときに困らないようにと考えて撮っていましたが、趣味になると写真としての構図や画角に意識が向いて、写真を撮ることが手段から目的に変わった感じがあります。

カメラを買うのは高いので、家を探してみたら、父が昔使っていた一眼レフがあって、実家から引っ張り出して持ってきました。古いものなので、解像度は正直スマホのほうがいいんです。でも色の出方が、少しノスタルジーな雰囲気になります。特に赤がオレンジ寄りになるので、肉眼で見るよりも古めかしい感じになるのが気に入っています。
『mauleaf』でやりたいのはみんなでひとつのものを作ること
—グラフィックアーツ専攻では、本作りをしていると聞きました。
グラフィックアーツ専攻では、本や編集デザインをよく授業で取り入れていて、自主制作や課題の中で、もう4冊くらい作りました。自分の作品集を作ったり、AIとアナログを組み合わせて架空の映画のパンフレットを作ったりしています。
—雑誌の中身や企画は、自分でテーマを決める?
そうですね。みんな自由にやっていて、自分のプレイリストを本にしたり、ゲームの説明書を作ったり。私は、雑誌を読んだり集めたりするのが好きで、実際に集めているものを分解して、切り抜いて、再構成して作りました。
—自分の興味から広げて本をつくるのは面白そうですね!
この課題での経験が今回mauleafに参加するきっかけになったのですか?
課題では、装丁、企画、製本を最後まで全て自分1人でやります。この写真の本は2週間以内で同じものを5冊作れる技術を身につけましょう、という課題でした。
でも、社会に出たときに、1人で作る本ってないよなと気づいて。mauleafの存在を知って、みんなで目標に向かってひとつのものを作るという経験がしたいと思いました。
—最後にmauleafへの意気込みがあればお願いします!!
既に編集会議が始まっていますが、とても活発な議論ができているので、毎週の会議を楽しみにしています。このまま完成まで走り抜きたいです!

執筆・編集:建築学科 1年 山﨑佳乃
インタビュー写真撮影:基礎デザイン学科3年 桑原由衣










