2026-08-17

mauleaf 34号編集メンバーインタビュー vol.2「哲学するデザイン」

『mauleaf』34号編集メンバーを紹介し、ムサビ生の大学生活を深掘りしていきます。今回はムサビ生活3年目の“ゆい氏”こと、桑原由衣さんにインタビュー!
基礎デザイン学科(通称:基礎デ)で学ぶ中で気づいた、デザインの意義、そしてムサビの魅力をお聞きしました。

◎話し手:桑原 由衣(基礎デザイン学科3年)
○聞き手:安井 佳穂(油絵学科グラフィックアーツ専攻3年)

ムサビと、基礎デと、私のカンケイ。

―まずは、ムサビに入学した理由を教えてください。

私立美大の中でも規模が大きく、色々な学科があって、何よりムサビがもつ自由さに惹かれて受験しました。受験前に卒業制作展に足を運んだことがあったんですが、とても圧倒されて。物事の本質を見つめる作品が多いように感じて、そこにも魅力を感じていましたね。

―視覚伝達デザイン、空間演出デザイン、工芸工業デザインなど多種多様なデザイン学科がある中で、基礎デを選んだ決め手は何でしたか?

個人的に、基礎デは研究色が強い学科だと思っています。「デザインってなんだろう?」という根本的な問いかけから、哲学的に既存のモノの可能性を探って、考える。
例えば今だと、グループワーク形式で「架空のお菓子を考える」という課題に取り組んでいます。消費者にどんな形で届けるかを一つに絞らず、“別の可能性”を模索しながら広げていく作業の繰り返しです。私は普段の制作から、しつこく考えてコンセプトを練るタイプなので、基礎デのスタイルはとても自分に合っていると思います。

課題「架空のお菓子を考える」の商品説明用プレゼンシート

―なるほど、深い…。ちなみに基礎デの講評はどれくらいの頻度であるんですか?

基本的に講評は毎週あるんですよ。初週のアイデア出しの段階から教授に見せて、フィードバックをもらいます。その意見をもとに、アイデアを絞ってブラッシュアップできるので、みんな楽しんで講評を受けている気がします。

―毎週!?私の所属しているグラフィックアーツ専攻だと、基本的に講評は1課題につき1回きりなので、ちょっと羨ましいです!

確かに、ファインアート系学科(油絵・日本画・彫刻学科)は講評が少ないイメージですね。ただ、講評が多すぎても「うっ…どうしよう」と悩むときがあります(笑)。でも、講評のおかげで鍛えられているのは確かです。

―それは良い筋肉つきますね。これまでの講評で印象に残っている言葉などはありますか?

基礎デの講評は、フィードバックの視野がすごく広いと感じています。今回の課題では、架空のお菓子のトータルブランディングをする必要があるのですが、単なる新商品ではなく、ロングセラーになるようなヒット商品を目指すよう言われているんです。例えば商品のネーミングやロゴ案に対しては、キャッチーでありつつも、10年後も違和感なく残る「自然さ」を意識するように指摘がありました。私たち学生だけでアイデアを考えると、どうしても凝ったデザインが採用されがちなところありますよね。でもそうではなくて、流行に左右されない覚えやすさやシンプルさという視点は、とても勉強になりました。

ムサビライフと“これから”の話。

鷹の台キャンパス5B号館前でのインタビュー風景

―ムサビのお気に入りポイントを教えてください。

とにかく広い!授業が終わったその足でイメージライブラリーに映画を観に行ったり、4号館の奥で、「猫部」の活動としてお世話しているムサ猫たちを眺めたり。キャンパス内を歩き回るだけでも色々なことができて、暇な空き時間も充実させられるところが気に入っています。

―普段はどんな映画を観ていますか?

最近見たのはアルフレッド・ヒッチコックの映画ですかね。空きコマで観られる長さの短編映画を探していたときに見つけた、古い白黒映画なんです。名作として残っていて、短編でも見応えがあると評判だったので鑑賞しました。すごく面白かったのでオススメ!

―気になる…!他にも最近、興味のあるモノはあったりしますか?

今は印刷に興味があります。印刷用語を調べてみたり、紙や印刷の見本を取り寄せたりしていて、本を作るための専門的な知識を身に付けたいな、と思っています。去年、タイポグラフィーの授業で本を制作したのですが、内容を考えるのに必死になってしまって。印刷と製本は全て世界堂にお願いしたんです。もちろんとても綺麗に作って下さったのですが、もっと自分で考えて、紙質や素材まで工夫して製本をしたいと思いました。箔押しなどの加工ができる特殊印刷にも、いつか挑戦してみたいですね。

お気に入りの本や印刷見本

―今回我々が参加している『mauleaf』も、印刷されて冊子になるわけですが、楽しみにしていることは何ですか?

一番は、みんなで考えた企画が誌面になる“過程”を目撃できることですね。私はどんな制作でも、単なる情報だったモノが、まとまりを帯びて形になる瞬間が大好きで。アイデアとしてみんなの共通認識にはあるけど、宙に浮いてて完全に形になっていない、みたいなモノを言語化していく作業がとにかく楽しいんです。まだモヤモヤしている企画が、最終的にどんなタイトルで、どう誌面に載るのか、考えるとワクワクします。

―早く完成した冊子が見たいね!本日はインタビューありがとうございました!

一緒に頑張ろう!ありがとうございました!


執筆・編集:油絵学科グラフィックアーツ専攻3年 安井佳穂
インタビュー撮影:建築学科1年 山﨑佳乃

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